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なにわ会のブログ

海軍兵学校72期海軍機関学校53期海軍経理学校33期
我が輩は病人である。(その4)
 やむなく翌日は、方向を変え郊外のある整形外科へ行くことにした。
孫娘が以前にかったことのある医者である。駐車場も広く行くのには楽であるが、孫娘に言はすと「ヤブ」である。高校生の小娘が「ヤブ」とはいささか僭越とは思ったが 先生は一応レントゲン写真を診ながら「椎間が年齢並みに狭くなっている」とのご託宣である。
人間年齢並みに狭くならなければ可笑しい。これも誠に明快至極、要するに年齢のせい故左様心得るべしということか。
 あとの治療はたいして目新しくも無く、物腰応対が多少親切なだけで、成程これも孫娘の言うように籔井竹庵先生の仲間のようである。
 電気治療は低周波の刺激療法で、これは矢張り電子レンジ式のほうが素人には体感的に効果ありそうに感じられる。
 注射も一本打ってくれたが余り効果なく、一日で御免蒙ることにした。 
 お蔭で痛みは相変わらずである。首吊り効果で多少痛みは楽になり、少しは動くようになったが肩の痛みは依然として衰えない。それどころか両手首の腫れは頻発するようになった。
 バイトの先生がアイシングをしなさいと言って説明書をコピーしてくれた。要するに「氷で冷せ」というわけである。箸持つ手にも力がはいらないのには困る。塗り薬、貼り薬も皮膚がヒリヒリとして感じが悪くなってきた。

 とかなんとか言いながら多少は凌ぎ易くなってきたことには間違いない。後は気力で痩せ我慢するより仕方ない。 然し夜眠れないのはなんとしても辛い。
 痛み止めの効かない時は酒の勢いを借りて眠っても精々一時間、首から肩から肱手首、時には股関節まで身体中が痛くて目が覚める。
 仕方ないから起きてブラブラ運動で全身をほぐすのである。頭を下にして力を抜き、腕をブラブラ、痛みをこらえて動かしているが、多少はよくなって来ているのであろう。
それでも一日中頭がぼーっとしているのには閉口。 おまけに二三日前、女房殿が飼い犬にじゃれつかれ家の前で転倒、顔面挫傷。
折角の美人がお岩様のような有様で、これまた近くの別の整形外科に通いはじめた。 腕の方は判らないが、女房殿は医者の親切な応対振りが気に入りここに通っている。
 私も、ものは試しと診察を受けてみた。随分以前この先生とは近くのゴルフ場で一度か二度一緒にプレイしたことがある。
 何時も奥方同伴だったので、奥様もお元気ですかとご愛想に聞いてみた。果たして先方は覚えていたかどうか判らない。この先生のうちも「竹林堂」風の古めかしい名前の医院である。
 院内にはこの老舗振りを証明するかの如く、明治時代のこの町の古い地図が飾られていた。
地図というより手書きの古文書的絵図のようなもので、竹林堂医院は随分の大きさで施設の役割毎に棟割まで記載されていた。医院としての老舗ぶりを大いに誇示する代物である。
 丁度我家にも昭和の初めの頃の町の古地図があった。この町の老舗の本屋さんが販売元である。
 然し地図といっても田舎の本屋さんが自前で印刷発行、ポスター大の一枚もので裏面にはこの医院の他にも市内の商店や料理屋の広告も掲載されていて、昔を知る人には大変懐かしい。
 当然前述の絵図とたいして変わりない新聞紙大の手書きのものであるが、発行から百年近くも経つと結構それだけの趣がある。 勿論、大都市になった現在とは大いにかけ離れている。
 何かの役にたつかと思い早速これをコピーして女房から先生に進呈した。
喜んで受け取った様子だったがその後院内には一向に展示されてない。よくよく考えてみると、これにも同じく〇〇堂医院と書かれてあるが、前述の絵図に較べると大きさが月と鼈(すっぽん)ほど違っていた。    
こちらが実際の大きさに近いがこれでは折角の昔の絵図とは大分イメージが違ってくるのでボツにしたらしい。
 それはそれとして 我家も旧市街の真ん中から約二キロ程度、裏の一寸した高台が戦後最初の市営住宅として分譲された。然し、その当時は大田舎であったらしく、残念ながら僅かのことでこの地図には記載されていない。この火葬場は私達が引っ越してきて間もなく火事でなくなった。
 ところが世の中物好きな人もいるらしく、火葬場のあとは縁起がよいとかでこの跡地を購入、家を新築した医者の先生がいた。
 それが又何としたことか、このお家も又火事で焼けてしまった。然し都市化の波は恐ろしく、今やその辺りも昔を知らぬ新しい人の家で一杯である。
by naniwa-navy | 2009-12-27 05:36 | 書きもの
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